クリンゲルンベルグ方式曲がり歯傘歯車の検査法に関する研究
田村 久司,川崎 一正,中野 悦宏
新潟大学工学部 機械システム工学科
1.緒 言
近年我が国において需要が増大しつつあるクリンゲルンベルグサイクロパロイド方式曲がり歯傘歯車
(1)(2)は,原理的には共役な歯車で対を構成することができる.しかし実際には,歯切りの際に
生じるいろいろな誤差のために1回の歯切りでそのような歯車を得ることができず,現状では,歯当
たり調整歯切りを行い,希望する歯車を得ている.歯当たり調整歯切りは,歯当たり模様を観察しつつ
試行錯誤的に行われるから,結局現場の技能に依存することになる.
このような歯当たり調整歯切りの現場依存性の解消を目指して著者の一人は,歯車歯面を三次元座標
測定機(以下,三次元測定機という)で測定して得た結果から歯切り時の誤差を検出する検査法を提案
した(3)〜(5).そして既報(5)では,歯切り時に誤差が生じているであろうと考えられる多く
の要因(誤差要因)のうちどの要因を選ぶべきかその選定法を示すとともに,それをハイポイドギヤに
適用して歯切り時の誤差を検出した.ところがこの誤差要因選定法を表題の歯車に適用したところ,
ハイポイドギヤの場合と異なりその有効性が認められなかった.すなわち,既報の誤差要因選定法では,
歯面誤差に与える各要因の単位誤差量あたりの影響の度合いを影響係数と呼び,影響係数の大きい要因
を検出すべき誤差要因としていたが,その要因に誤差がない場合には,この選定法を適用しても効果の
ないことがわかった.既報では,偶然にも影響係数の大きな要因に誤差があったため期待どおり満足す
べき結果を得ていたことが判明したのである.
そこで本報では,新たに歯面上の点の三次元座標測定値群から実際に誤差がある要因を見出すための
選定法を示す.そして,これまでに提案してきた検査法を表題の歯車の歯切り誤差検出に適用したので,
それについて報告する.
2.検査法の概要
曲がり歯傘歯車を歯切りするとき,工具を決められた位置に正しく取付ける必要があるが,普通その
取付けには誤差を伴う.歯切り時の工具取付け位置に関するいろいろな誤差はそれぞれ程度の差はある
にしても歯面に何らかの影響を及ぼしているはずである.
本研究では,そのような考え方に基づいて,曲がり歯傘歯車歯面を三次元測定機で測定し,その測定値
群に最もよく適合するように,工具取付け位置の関数として表されている幾何学的歯面を最小二乗法に
よって推定する.この推定歯面に対応する工具取付け位置と設計上のそれとの差を工具取付け位置誤差
と考える.この誤差を補正して修正歯切りを行えば,設計どおりの曲がり歯傘歯車歯面が得られるであ
ろう.
3.曲がり歯傘歯車の検査
図1に示すように,三次元測定機上に傘歯車をおく.このとき,歯車に固着した座標系Og-xgygzg
の原点Ogと車軸zg軸はそれぞれ三次元測定機の座標系Om-xmymzmの原点Omとzm軸に一致するよ
うにおくことができるが,歯車がその軸まわりにいかなる角度回転した状態でおかれているかは不明で
ある.この未知なる角度をΦとする.
図2は,半径r0の球状測子と歯面Xmとが点Qmで点接触している状態を示している.Om-xmymzm
において球状測子の中心Pmの座標を表す位置ベクトルP (Px, Py, Pz)は,幾何学的には歯面の式Xm
とその単位面法線Nmを用いて次式で示される.
P = Xm + r0Nm ・・・・・・・(1)
一方,球状測子の中心Pmの座標が三次元測定機で測定される.座標測定値を位置ベクトルM (Mx, My,
Mz)で表す.
ここで,直角座標系で表示されている列ベクトルPとMを,zm軸を円筒軸とする円筒座標系Om-rm
θmzmに変換する(図3).
P = (Pr, Pθ, Pz)T
・・・・・・・(2)
M = (Mr, Mθ, Mz)T
この変換により,Pの各成分(Pr, Pθ, Pz)は次のように示される(5).
図1 三次元測定座標系Om-XmYmZmと歯車座標系Og-XgYgZg
Pr = Pr(ν,ψ; C1, C2, ・・・ , Ck)
Pθ = Pθ(ν,ψ;Φ, C1, C2, ・・・ , Ck) (3)
Pz = Pz(ν,ψ; C1, C2, ・・・ , Ck)
ここに,ν,ψは歯面を表示するためのパラメ−タである.また,C1, C2, ・・・ , Ckは工具取付け
位置・姿勢などを表すパラメ−タで,これらは歯切り作業中に変化しないから定数となる.歯切り時
におけるこれらの値が設計値と異なるときに,歯切り誤差があることになる.
さて,球状測子の中心を示す位置ベクトルPとその測定値Mのそれぞれのrm, zm成分を等しくおけば
次式を得る.
Mr - Pr(ν,ψ; C1, C2, ・・・ , Ck) = 0
・・(4)
Mz - Pz(ν,ψ; C1, C2, ・・・ , Ck) = 0
式(4)より,形式的には歯面上の点Qmを表すパラメ−タν,ψを,Φ と無関係に,C1, C2, ・・・ ,
Ckの関数として決定できる.
このν,ψを用いてPのθm成分Pθ を計算し,これとMθとの差を残差Eとする.
E = Mθ - Pθ(Φ; C1, C2, ・・・ , Ck) ・・・・・・・(5)
いま,歯車歯面上で任意のn個の点の座標を測定する.i番目の測定値Mi(i = 1, 2, ・・・ , n)に対応
する残差を式(5)より求め,これをEiとする.
図2 歯車歯面の測定状態
図3 円筒座標系への変換
そして,Eiの二乗和を最小にするようなΦ, C1, C2, ・・・ , Ckを求めることにする.
すなわち,最小二乗法によりΦと実際のマシンセッティング C1, C2, ・・・ , Ckを求めることになる.
これが提案の検査法である.
Eiの二乗和Fは
n
F = Σ Ei2 ・・・・・・・(6)
i=1
ところで,実際の歯車歯面は幾何学的歯面と比較するとごく一部の領域に偏在しているため,また
歯車歯面は複雑な創成曲面であるため,さらに歯切り時の工具取付け位置・姿勢などの誤差要因の誤差
は小さいため,(1) 要因 C1, C2, ・・・ , Ckの誤差のうちいくつかが歯面に対して同じような影響を
及ぼす場合と,(2) C1, C2, ・・・ , Ckの誤差のうち歯面に対して大きな影響を与えるものとわずか
な影響しか与えないものとが混在し,大きな影響を与えるもののなかに小さな影響しか与えないものが
埋没してしまう場合との二とおりの場合がある.このような場合,C1, C2, ・・・ , Ckの誤差すべて
を求めることは困難になる.既報(5)では,前者については要因間の独立性という概念で,後者に
ついては要因の影響係数という概念で評価した.そして,これら二つの評価基準に基づいて数多くある
誤差要因のうちから検出すべき要因を選定した.
さて,要因C1, C2, ・・・ , CkのうちたとえばC1が検出されるべき誤差要因であったとすると,
Fを最小にするC1とΦ(図1参照)を式(7)から求めることができる.
∂ F
────── = 0
∂ C1
・・・・・・・(7)
∂ F
────── = 0
∂Φ
4.誤差要因の選定法
既報(5)では,誤差要因C1, C2, ・・・ , Ckのうちどの要因の誤差が歯面に対して最も大きな影響
を与えるかをあらかじめ調べておき,最も大きな影響を与える要因のみに誤差があるとしてこれを検出
した.ところが緒言で述べたように,あらかじめ選定した要因に誤差がなくそのほかの要因に誤差があ
る場合,選定した要因の誤差を推定しても,その誤差を考慮に入れた幾何学的歯面は座標測定値群によ
く適合した歯面とはならない.すなわち,適合精度があまりよくない.そのようなときには,検出した
要因の値と設計値とを比較しそれを補正して修正歯切りを行っても,設計どおりの歯面を得ることがで
きない.設計どおりの歯面を得るにはやはり,実際に誤差のある要因を見つけ,それを補正しなければ
ならない.そこで本研究では,歯面測定値群から検出すべき誤差要因を次のようにして見つける.
まず,式(7)よりC1とΦを求める.次に,C2とΦを求める.C3以下についても同様にして求める.
このようにして求めた要因に対応する幾何学的歯面が測定値群によく適合しているかどうかを評価する
ために,推定歯面に対する測定値群の平均的な差(ばらつきの程度)を歯車軸を軸とする円の周方向
距離Δtで表し,これをそれぞれの要因について計算する.Δtは
F
Δt = Sr √ ────── ・・・・・・・(8)
n
ここに,Srは歯車の平均半径であり,平均円すい距離をRm,ピッチ円すい角をηとすれば,Sr=
Rmsinηで計算される.Δtが小さいということは,測定値群によく適合する幾何学的歯面が推定され
たことを意味するから,Δtを適合精度とみなすことができる.そこで,適合精度がよくなる要因を見
つけ,それに誤差があるとする.既報ではこの当然とも思える考え方が欠けていた.
ところで,そのほかの要因にも誤差がある場合は次のようにする.まず,適合精度Δtが最も小さく
なる要因の値を求め,次いでその値のもとで,ほかの各要因についてそれぞれの値とΦの値およびΔt
の値を求める.もし,Δtの値がさらに小さくなれば,その要因にも誤差があることになる.Δtが小さ
くならなければ,最初にΔtを最も小さくした要因にのみ誤差があることになる.
以上のような方法で,Δtの値が小さくなる誤差要因を見出し,その要因に誤差があると考える.
そして,その要因の値と設計値とを比較し,誤差要因の誤差を求める.これが本報で提案している
誤差要因の選定法である.
5.クリンゲルンベルグ
曲がり歯傘歯車の歯面
本法では,被測定歯車歯面Xmとその単位面法線ベクトルNmの数式表示が必要になる.そこで本章
ではXmとNmを導く.クリンゲルンベルグサイクロパロイド方式曲がり歯傘歯車は,歯すじが
トロコイド曲線である仮想冠歯車によって創成歯切りされるから,その歯(刃)面の式から被測定
歯車歯面の式を導くことができる.ここでは仮想冠歯車凹刃面に関して考察するが,凸刃面について
も同じことがいえる.
図4に,仮想冠歯車のピッチ平面上に半径qの固定円Qとその上を転がる半径rの転がり円Rを示す.
O-xyzは仮想冠歯車に固着した座標系で,z軸は仮想冠歯車軸である.y軸はピッチ線(6)(Pitch
surface generator)に一致するように定める.転がり円Rが固定円Q上を転がるとき,円Rに固着した
描点Pのピッチ平面上に描く軌跡はトロコイド曲線になる.このトロコイド曲線を歯すじとする
仮想冠歯車歯(刃)面の式を導くため,円Rに固着したカッタ座標系Oc-xcyczcを導入する.
OOcはMachine distanceであり,これをMdで表す.被削歯車の歯数をZb,カッタヘッドの口数
(Number of starts of cutter head)をZwとすると,円R, Qの半径r, qはそれぞれ
Zw Md sinη
r = ──────────────── , q = Md - r ・・・・・・・(9)
Zb + Zw sinη
図5に,カッタ座標系Oc-xcyczcとカッタを示す.rcはカッタ半径,γは切れ刃の圧力角,
λは切れ刃直線を表すパラメ−タである.これよりカッタ切れ刃直線XcはOc-xcyczcで次式で表
すことができる.
0
Xc(λ) = [ rc + λtanγ ] ・・・・・・・(10)
λ
ところで, クリンゲルンベルグサイクロパロイド方式のハ−ドカット用カッタの切れ刃は曲率半径の
大きな円弧になっている.この場合の切れ刃曲線の式として,式(10)と似た既報(5)の式をそのまま
用いることができる.
さて,XcがO-xyzに対して描く軌跡面Xは,νをカッタ旋回角として(図6)
図4 仮想冠歯車の歯すじ
図5 カッタの切れ刃形状
X (ν,λ) = C (θ1) Xc(λ) + D (ν) ・・・(11)
ここに,
cosθ0= (Md2 + Rm2 - rc2) / 2 MdRm
cosΘ0= (Rm2 + rc2- Md2) / 2 Rmrc
θ1(ν) = Mdν/ r + Θ0 ・・(12)
- Mdsin(ν-θ0)
D (ν) = [ Mdcos(ν-θ0) ]
0
また,Cはz軸まわりの回転に関する座標変換行列であり,次の内容をもつ.
cosθ1 −sinθ1 0
C(θ1) = [ sinθ1 cosθ1 0 ] ・・・・・・(13)
0 0 1
式(11)のXはν, λをパラメ−タとする切れ刃Xcの軌跡面を表すが,クリンゲルンベルグ曲がり歯
傘歯車の歯切りにおいてはこれをトロコイド曲線を歯すじとする仮想冠歯車刃面の式としてよい.
Xの単位面法線ベクトルをNとする.
Xを刃面とする仮想冠歯車がz軸まわりを回転しつつ被削歯車歯面を創成する.このとき仮想冠歯車
の回転角を創成角ということにし,ψで表す.創成角がψの瞬間,X, Nを静止空間に固着した座標系
O-XYZで表し,それぞれXψ, Nψとすると
Xψ(υ,λ;ψ) = C (ψ) X (υ,λ)
・・(14)
Nψ(υ,λ;ψ) = C (ψ) N (υ,λ)
ただし,O-XYZはψ= 0のときO-xyzと一致するように定められているものとする.Xψ上の任意の点での
仮想冠歯車と被削歯車の相対速度をW(Xψ)とすると,創成条件式は
Nψ(υ,λ;ψ) ・ W(υ,λ;ψ) = 0 ・・・・・・・(15)
これより,形式的ではあるが,
λ=λ(ν;ψ) ・・・・・・・(16)
を求め,これを式(14)に代入すると,仮想冠歯車刃面上の創成線の式Xψ(υ,λ(ν;ψ);ψ)と創成線上
の単位面法線ベクトルの式Nψ(υ,λ(ν;ψ);ψ)とが得られる.
図6 切れ刃の軌跡
図7 静止座標系O-XYZと歯車座標系Og-XgYgZg
さて,創成線Xψを図7の被削歯車に固着した座標系Og-xgygzgで表し,これをXgとする.
このとき,Og-xgygzgは基準の位置から角度-ψ/sinηだけ回転しているから
-ψ π
Xg(ν,ψ) = C−1(───)A−1(──+η )Xψ(υ,ψ)
sinη 2
・・・・・・・・・(17)
ここに,AはX軸まわりの回転に関する座標変換行列であり,次の内容をもつ.
1 0 0
π π π
A(―+η)=[ 0 cos(―+η) −sin(―+η ]
2 2 2
π π
0 sin(―+η) cos(―+η)
2 2
・・・・・・・(18)
式(17)でυ,ψを歯面表示パラメ−タとみなせば, Xgが被測定歯車歯面の式になる.Xgの単位面法線
ベクトルNgは
-ψ π
Ng(ν,ψ) = C−1(───)A−1(──+η) Nψ(υ,ψ)
sinη 2
・・・・・・・・・(19)
このXgとNgを三次元測定機の座標系Om-xmymzmで表示したものが式(1)のXm, Nmである.また,
Md, rc, γ,ηなどが式(3)の C1, C2, ・・・ , Ckに対応し,これらの値が設計値と異なっている
状態で歯切りが行われた場合,歯切り誤差が生じていることになる.
6.検査結果
本報で提案する誤差要因の選定法と既報の検査法とをクリンゲルンベルグサイクロパロイド方式
曲がり歯傘歯車の検査に適用する.検査対象とした歯車の諸元を表1に示す.歯切り時のカッタ諸元
およびカッタ取付け位置・姿勢などを表すマシンセッティングに関する諸元を表2に示す.
表1 曲がり歯傘歯車諸元 表2 カッタとマシンセッティングに関する諸元

図8 三次元測定機による検査実験
歯面測定には半径r0= 0.997 mmの球状測子を使用した.歯面測定の様子を図8に示す.なお本実験
では,測定中の偶然誤差の影響を避けるために測定点の数nを20点以上(26点)とした.
クリンゲルンベルグ方式曲がり歯傘歯車では,次のような誤差要因が考えられる.歯切盤に関しては
Machine distance Md,カッタに関してはカッタ半径rcと圧力角γ,ワ−クに関してはピッチ円
すい角η,Mounting distance L(図7)およびO-XYZにおける歯車軸のX軸方向のオフセット量lx
である.
表3 検査結果 表4 ΔL=-0.250の時の検査結果

表5 修正歯切り後の検査結果
これら誤差要因のうち,誤差があるとする要因を選定するため,歯面測定値群よりそれぞれの要因
の誤差とΦの値および適合精度Δtの値を求めた.その結果を表3に示す.表3より,上述の誤差要因
のうちΔtの値を最も小さくする要因はMounting distanceであるから,Mounting distanceが
L +ΔL = 101.00 - 0.25 = 100.75 mmであるとしたときの幾何学的歯面が測定値群に最もよく適合して
いると判断することができる.すなわちL = 101.00 mmで歯切りすべきところ,ΔL = -0.25 mmの誤差
を含んだ状態で歯切りされていたことがわかる.ところで,この歯切実験においてはΔtを小さくする
要因はMounting distanceであることが見出されたが,それ以外の要因に誤差があるかどうかはいまだ
不明である.そこで今度は,L = 100.75 mmとしてそのほかの要因Md, rc, γ,η, lxの誤差とそれ
ぞれに対応するΦの値および適合精度Δtの値とを求めてみた.その結果を表4に示す.Δtの値は表3
のLのΔtとほとんど変っていない.これより,Md,rc,γ,η, lxすべてに誤差がなく,Mounting
distance Lのみに誤差があると考えてよいことになる.そこで,Lを0.25 mm増加させて修正歯切りを
行い,その歯車歯面を測定して得た歯面測定値群からLの誤差ΔLとΦを求めてみた.その結果を表5
に示す.表より,適合精度Δtの値が修正歯切り前と同程度に小さくなっていることがわかる.また,
検出したΔLの値は0.004 mmで無視できる程度に小さいことから,歯車歯面は正しく歯切りされている
と判断でき,修正歯切りの効果がわかる.
以上より,本検査法の有効性が確かめられたものと考える.
7.結 言
クリンゲルンベルグサイクロパロイド方式曲がり歯傘歯車は原理的には共役な歯車で対を構成する
ことができるが,歯切りの際に生じるいろいろな誤差のために1回の歯切りでそのような歯車を得る
ことができない.そのため,現場技能者の経験と勘に基づく歯当たり調整歯切りを行い希望する歯車
を得ているのが現状である.本報は,これの改善を目的として,歯車歯面上の座標測定値群から歯面
を創成歯切りする際の工具取付け位置誤差を検出することを試みたものである.本研究は,工具取付
け位置誤差を検出し,これを歯切り作業にフィ−ドバックすることにより設計どおりの歯車歯面を得
ることを目的としている.
本研究では,実際にクリンゲルンベルグ方式曲がり歯傘歯車の歯面を測定して,その測定値群から
工具取付け位置に関するいろいろな誤差要因を評価し,その結果から実際に誤差があると考えられる
要因を見出すことができた.そして,その要因の誤差を検出し,その誤差を補正して修正歯切りを
行った.その結果,設計どおりの歯車歯面を得ることができた.
終わりに,検査・歯切実験にご協力いただいた(株)長岡歯車製作所 市野之彬部長にお礼申し上
げる.
文 献
(1) Litvin, F. L., Theory of Gearing, NASA Reference Publication 1212, (1989), 352,
NASA Lewis Research Center, Cleveland, Ohio.
(2) Townsend, D. P., Dudley's Gear Handbook Second Edition, (1991), 20-42, McGraw-Hill.
(3) 田村,機論,52-478, C(1986), 1798.
(4) 大矢・ほか2名,機論,58-547, C(1992), 864.
(5) 川崎・田村,機論,59-567, C(1993), 3513.
(6) Merritt, H. E., Gears (3rd ed.), (1954), 40, Sir Isaac Pitman & Sons, Ltd, London.
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